先日は「漆」についてブツブツと書きましたが、今日はこの間、写真をのせた雨戸と障子を「洗い」をして磨きなおした写真をアップしたいと思います。
「お洗濯」では漆の塗り直しをしますが、痛みが少ない塗りやご予算にあわせて塗りの部分を「磨きなおし」といって漆部分を洗いをした後に、薬品を使って磨きなおして修復することも行っています。
漆のいいところは、何度も塗り重ねることができ、磨くことができると先日お伝えしました。日光が当たって白く劣化したところや、線香やろうそくのヤニですすけてしまい光沢を失った部分を磨きなおすことで元々の光沢に近いところまで修復することができるのです。さすがに物が当たったり、傷がついてしまったところはきれいになりませんがお仏壇の状態によっては、十分に新品同様の光沢がよみがえります。
仏壇のお洗濯は予算も高くて、、とお考えの方もご予算にあわせて、きれいにすることができるのです。いままで代々守ってこられたお仏壇を買い換えるのでなく、これからも次の世代にもつなげていくために当店ではできるかぎりお洗濯のご相談にお乗りいたします。
前置きはさておき…
金具を抜き、「洗い」まえの雨戸と障子です。塗りの部分が紫外線とヤニやススで白くなってしまい、光沢がなくなってしまっています。
こちらを金箔の部分は苛性ソーダで「洗い」、漆の部分はお湯で流し、極力日光に当たらないように陰干しをします。(日光は洗いをしたあとの仏壇をさらに劣化させて白くさせてしまいます。)
そして十分に乾燥させた後、「磨きなおし」を行いました。
磨き直しの前にまずは硬く絞った布でもう一度漆部分のほこりやごみを取り除き、その後、磨き粉(超微粒子のはいったコンパウンド)を布へつけて丁寧に磨いていきます。ただ磨くのでなく、漆部分の状態を確認しながら強弱をつけて磨いていくのです。
左の写真は障子のかまちです。左側が磨きなおした後、右側が磨きなおす前です。左の白く見えているところが漆の劣化して白くなっている部分です。
右の写真は雨戸です。
同じく左は磨きなおした後、右は磨く前です。もともと「蝋色」仕上げをされているので鏡のように向かい側にあった、唐木仏壇が写りこんでいると思います。左と右の写りこみ具合でその差は歴然です。
お洗濯ばかりをお伝えしていますがもちろん、本職は京仏壇の製造を行っています。「お洗濯」をお考えのお客様、新調をお考えのお客様もお気軽にお問い合わせくださいませ。
本日もお付き合いありがとうございました。